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『旬亭』 で旬をいただく

奈良のすてきなお店に連れて行っていただきました。

JR奈良駅から歩いて10分ほどの場所にある、天ぷらのお店 『旬亭』
潔いたたずまいの戸をあけると、10席ほどのカウンター席のみのお店です。
生麩で出来たそうめんのような付き出しからスタートして、
シラサ海老の手
シラサ海老
ヤングコーン

タラの芽

よもぎ麩
ふきのとう
牡蠣
かぶら
丸ズッキーニ
鳴門金時
蓮根

・・・春の食材がズラリ。

手元には、さらさらの焼き塩と大根おろしが入った天つゆ、レモンが用意
されているのですが、ほとんどを塩で食べるようにマスターがすすめて
くださいます。
このマスター、お客さんとかなりコミュニケーションをとりながらも、ものすごい
計算されたリズムで仕事しています。
天ぷらを揚げる手元に集中しながらもギャグを言ったり、ドリンクを用意したり、
電話に出たり、時には手相を見てくれたり!
気のいいおっちゃん(おっちゃんと呼んではいけないらしい)
という感じの見た目とは裏腹に、仕事は、頑固一徹職人気質、完璧です。
もう、お店に入った時から、無駄のない厨房の清潔さとか、油モノ屋さん
なのに床が綺麗だとか、そういうものから意気込みが伝わっていました。
かっこいいなぁ。

天ぷらって、勝負の料理ですよね。
そして 『技』 の料理。
料理人がすることは、素材を選んで来て、下ごしらえをして、あとはお客さん
の前で揚げる。
出来ることが少ないものこそ、出来ることをどれだけ満点でやれるか、
緊張感があります。
そして、見えないところで施されている丁寧な仕事の比重が、こういう料理は大きいです。
今日いただいたどの素材も、感激しました。

薄い衣の中から、繊細な肉質で水分たっぷりのほんのり甘いかぶら・・・
中が半熟の牡蠣にレモンと塩・・・
丸くて肉厚のズッキーニのとろけるような食感・・・
厚切りにしてじっくりと低温で揚げられた鳴門金時の皮の周辺の香ばしさ・・・
皮を一枚ずつ丁寧に開いてから揚げられた春の苦みのふきのとう・・・
鯛の白身の絶妙な柔らかさ、焼き塩によって引き出される甘み・・・

間に出てくる能登のもずくも素晴らしい。
細くて、柔らかくて、味付けのタレのおいしいこと。

〆は、ちいさい天丼とおつけもの。
レモンのシャーベット。


旬の素材をこれ以上にないくらい活かしきった、日本の食文化の素晴らしさを思い知る
旬亭での真剣勝負の天ぷら三昧でした。
おちゃめなマスターの人柄が、おいしさを倍増させています。
これで¥4200はおかしいですね。
次は筍の時においでや、と言っていたマスターに 「はいっ!」 と即答でした。

ご一緒させていただいたみなさん、今日はどうもありがとうございました!
とてもとてもしあわせな食事でした。
勉強になりました。
by ikuesfoodstudio | 2011-02-06 00:43 | ●奈良のすてきなお店 | Comments(2)
Commented by チョコ at 2011-02-06 19:34 x
素敵な情報ありがとうございます。
Iku先生の笑顔が文章から直球で伝わってきた
Commented by ikuesfoodstudio at 2011-02-08 23:16
●チョコさん

お礼言っていただいて・・・ なんだかスミマセン 笑
ほんとにほんとに素晴らしいお店だったので、帰宅するなりバー――――ッと
書きあげてしまいました。
季節の香りをたっぷりと味あわせてくれる、素敵なお店。
是非、チョコさんも行ってみてくださいね。ちなみに予約制です。


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